
スワップ【swap】=取り替えること。交換。
FXをやっていると、もしくは勉強していると必ず出てくる「スワップ」という言葉。
わかっているようでちゃんとわかっていない方も多いのではないでしょうか。
そもそも、言い方も「スワップ」「スワップポイント」「スワップ金利」など色々あったりします。
これ、実は全て「スワップポイント」のことを表していて、「スワップ」というのはその省略形、そして「スワップ金利」というのはちょっとおかしな言葉でして、「スワップ金利」という「金利」は存在しません。
実際は「スワップでつく金利収入」という意味で、それが省略されていつの間にか「スワップ金利」になってしまっているんですね。
とにかく、全て「スワップポイント」のことを表していますので、この記事では「スワップポイント」とはいかなるものなのかについて簡単に理解できるように解説していきます。
スワップポイントは2通貨間の金利差の調整分
簡単に言うと、「スワップポイント」というのは、金利が異なる通貨を売買したときに発生する金利収入(マイナスになることもあり)のことです。
そして、2つの通貨間の金利の差額を年ベースで算出し、さらにそれを日割りして、毎日付与するものを「スワップポイント」と呼びます。
わかりづらいと思うので、具体例から説明します。


金利というのは日々変動しています。
例えば、上の画像はここ25年間の日本とインドの金利の推移のチャートですが、日本が年利1%以下を推移しているのに対して、インドは年利4〜8%の間でレンジになっています。
このとき、元々持っていた円でインドルピーを買い、1年間保有した場合、円ではなくインドルピーの金利が発生しますよね。
円で持っていた場合と、インドルピーで持っていた場合で、金利から得られる収入に差が発生しています。
この差額分をちゃんと上げますよというのがスワップポイントの基本的な考え方です。
もう少し詳しく解説します。
ここでは例として、インドルピーの年利が5%、日本円の年利が1%と仮定して説明してみます。
為替変動はゼロ、手数料なども全てゼロと仮定してシンプルに考えてみます。
まずチャートくんが、10,000円を持っています。

チャートくんはこの10,000円をルピーに交換しました。
そして1年間インドの銀行に預け、ルピーとして保有しました。
1年後、5%の金利がついて、10,500円分のルピーとなりました。

そしてそれを再び日本円に戻します。
チャートくんは10,000円をルピーとして1年間保有したことによって、500円の儲けが出ました。
一方、もし、チャートくんが10,000円をルピーに交換しなかった場合、
つまり日本円のまま日本の銀行に預けて1年間保有していた場合、
1年間で1%の金利がついて、10,100円になっていたでしょう。
つまり、日本円でそのまま持っていた場合と、インドルピーに交換して持っていた場合で、
ついた金利の金額に400円差がありますよね。
この差額部分だけを付与してくれるのが、FXの「スワップポイント」です。
実際には、この金利のプラス分(マイナス分)が日割り計算されて、毎日付与されます。
また、FX会社の利益も引かれて付与されます。
実際、この通貨ペアでトレードできるFX会社があるかどうかはわかりませんが、金利差が大きく、わかりやすい極端な具体例として紹介しました。
実際にFXでトレードする場合は、もっと金利差が小さくてわかりづらい(特に主要通貨ペアは)ですが、スワップポイントの仕組み自体は今の説明と一緒です。
「スワップポイント」は、この例のように、
低金利通貨を売って高金利通貨を買うと受け取れます(プラススワップ)。
逆に高金利通貨を売って低金利通貨を保有していると、スワップポイントを支払わなければいけません(マイナススワップ)。
スワップポイントは毎日付与される
スワップポイントは、年ベースで計算した金利を日で割って毎日付与されます。
FX会社によって、スワップポイントのルールは違います。
ですが、通常ポジションを翌日に持ち越すごとに計上され、そのポジションを決済した時点で口座残高に反映されます。
また、日をまたがないポジションにはスワップポイントは発生しません。
1日に何度もトレードしたとしても、ポジションを翌日に持ち越さない場合はスワップポイントは発生しないと言うことですね。
スワップポイントは為替市場が開いていない土日にも発生し、休日の分は、水曜日や木曜日にまとめて付与される仕組みとなっています。
この土日分のスワップポイントについては、実際に土日に保有している必要はなく、「まとめて土日分のスワップポイントが付与される日」にポジションを保有しているだけで付与されます。
つまり、水曜や木曜は「お得な日」ということですね。
以上は基本的な仕組みなので、正確なルールは各FX会社ごとに確認してみてください。
スワップポイントにもレバレッジが適用される
為替差益を得るときと同じように、スワップポイントにもレバレッジが適用されます。
例をあげます。
パターンA
証拠金が100万円あります。
ドル円をレバレッジ1倍で10,000ドル買いました。
このとき、1日分のスワップポイントは+30円でした。
パターンB
証拠金が100万円あります。
ドル円をレバレッジ10倍で100,000ドル買いました。
このとき、1日分のスワップポイントはパターンAの10倍の+300円でした。
このように、レバレッジは為替差益に反映されるのと同じように、スワップポイントにも反映されます。
証拠金ではなく、実際に取引している金額そのものにスワップポイントが発生するということですね。
スワップポイントは日々変動する

各国の金利というのは毎日少しずつですが変動しています。
そのため、スワップポイントも日々変動します。
なので、スワップポイントは1日単位で見直されます。
多くのFX会社は、日々変化するスワップポイントをお客さんに伝えるためにスワップポイントカレンダーを用意しています。
スワップポイントはFX会社ごとに異なる
トレーダーが実際に受け取れるスワップポイントは、FX会社が少し利益を引いたあとの金額となります。
よって、同じ金利差で、同じ通貨ペアで、同じロットのトレードを行ったとしても、使うFX会社によって受け取れるスワップポイントの金額は変わってきます。
スワップポイントを狙ったトレードを行うことを検討している場合は、各FX会社の提供しているスワップポイントカレンダーで、スワップポイントがどれくらいゲットできるのかチェック、比較してみてください。
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